白エビは主に富山湾に生息しているエビで、 漁業が成り立つほどの水揚げがあるのは世界でも富山湾だけです。 日本海側で最大の湾である富山湾。 その最深部は1200m以上におよび、 「日本三大深湾」の一つに数えられています(他二つは駿河湾、相模湾)。 また、「蜃気楼」や「ホタルイカの発光」などの神秘的な現象で知られる富山湾ですが、 湾の奥の海域には、海岸近くでも一気に深くなっている「海底谷」があります。 この海底谷は、深さの影響で海の青が一段と濃く見えることから、 「藍瓶(あいがめ)」と呼ばれています。
この富山湾特有の海底谷「藍瓶」を住み処にしているのが、白エビ。 体長は5〜6cmと小ぶりで、 透き通るようなピンク色をしていることから「富山湾の宝石」と呼ばれています。 富山湾でしか獲れない希少な水産資源ということもあって、 漁期は4月から11月までの間に限定されています。 また、乱獲を防ぐために、漁に出る船の数も限定していて、 今日はAグループ、明日はBグループと船団ごとに出漁日を分け、 持ち回りで漁を行っています。
今回は、お刺身で食べられる「むき身」と、 唐揚げなどで楽しめる「殻付き」の白エビの2種類をご用意しました。 お刺身用の「むき身」は、1匹1匹、丁寧に手作業でむいています。 水揚げ後に一度冷凍して、表面を硬くしてから殻をむいているのですが、 この作業をご家庭でやろうとすると、 20匹ぐらいむき終わった時点でため息が出てきます(笑)。 しかも、だいたい白エビのお刺身1人前が60〜70匹ぐらいですから、 家族の人数分をむこうと思うと気の遠くなるような作業です。 しかも、この小さく繊細なエビの身を崩さないようにむくのは至難の業。 こうした手間ひまがかかっている分、 むき身は殻付きに比べて値段が高価になっています。
むき身をお刺身で食べると、 とろりとした口あたりで、ほんのり上品な甘みが美味。 手巻き寿司や丼のネタにしても、贅沢な味わいが楽しめます。 また、殻付きのほうは、油でカラッと揚げてください。 サクサクと香ばしく、ビールのおともに最適。 「やめられない、止まらない」という言葉は、 このエビのためにあるんじゃないかと思えるほどの逸品です。