越前ガニが名産である私たち福井県民はおそらく日本で、 というか世界でいちばんカニにうるさい県民のはずですが(笑)、 その私たちがなぜ、カナダのカニをおすすめするのか? このズワイガニは、何が違うのか? いくつかポイントを挙げてみたいと思います。
まず、このカニは、カナダのセントローレンス湾で獲れたズワイガニです。 セントローレンス湾はカナダ南東部に位置する湾で、 五大湖から栄養素の豊富な水が流れ込むことで良質な魚介類が育つことで知られています。 ここで育つズワイガニは、身の繊維やミソの風味が越前ガニによく似ています。 カナダのズワイガニ漁は毎年4月後半に解禁されて、初夏にかけて旬を迎えます。 つまり、いちばんおいしい時期に獲れたカニが出荷されています。
そして、素材としてのカニ以上に重要視しているのが、 漁獲直後から加工・出荷までの「品質管理」です。 漁獲から水揚げまでの、船の中での温度管理を徹底。 漁獲直後に氷詰めにして、0度近くの温度帯で鮮度をキープし、 港での水揚げの際には専任の監督者が温度をチェックしてします。
加工を行っているのは、カナダ国内にある「当社指定工場」です。 福井県のカニのプロがこれまで20年以上にわたってこの工場に赴き、 「おいしいカニを届けたい」という一心で指導にあたってきました。 この工場との契約では、 最も品質のいいズワイガニを日本向けに卸してもらうようになっています。
では、その「最も品質のよい」ズワイガニは、どのようにして選別されているのか? この工場では合計で「4回」のチェックを行っています。 しっかりと身が詰まっているか。 足が折れていないか。 殻に穴は開いてないか。 汚れはないか。 とにかく厳しく「弾く」。 そのチェックをくぐり抜けたカニだけが、日本向け商品として出荷されます。
チェック以外にも、カニをボイルする時間、ボイルする際の塩分濃度なども細かく指定しています。 例えば、カナダ以外の国ですと、 漁獲した船の中で海水をそのまま使ってボイルしてしまうことで 塩辛くなってしまったりというケースもあります。 こういった工程でも品質に違いが現れてくるわけです。
出荷前に冷凍する際には、液体窒素ガスを使って一気に凍結。 カナダでのおいしさをそのまま閉じ込めています。 しかも、この時にもまた、本当に中心まで凍っているかどうかの温度チェックを実施。 さらに、ガスで凍結しただけだとカニが乾燥してしますので、 凍結したあとに水をくぐらせてカニの表面に氷の膜を付けています。
また、工場の衛生管理も徹底しています。 2時間ごとの休憩時には、必ず専任のスタッフが清掃に入ります。 作業場や休憩所の入口には、5分ごとに自動でフロアの除菌を行うマシンを設置。 さらに、毎日の終業後には、また専任の清掃スタッフが入って洗浄・殺菌を行い、 乾燥までをしっかり行っています。 このため、次の日の朝に工場に入ると、 魚介類の加工場にありがちな「魚介臭さ」が全くありません。 こうした衛生管理体制によって、 この工場はカナダ政府から最高レベルの衛生管理認定を獲得しました。
といったように、ここに挙げただけでも相応の手間がかけられていることが分かっていただけると思いますが、 こうした一つひとつの工程で「こうするといい」「これはダメ」というポイントを交えながら、 毎年毎年、現地スタッフへのレクチャーを続けてきました。 しかも、各工程の担当者は毎年ほとんど変わりません。 昨年も今年も来年も、熟練の担当者が工場ラインを担当することで、 年を追うごとに熟練度とクオリティが上がっています。
すべては「おいしいカニを、しかも安全安心なカニを食べられるように」という理想のために。 もちろんそれにはそれなりの時間とコストがかかるのですが、 その手間を惜しまないのが日本人のものづくりにかける心意気、 「ジャパンスピリッツ」だと信じて、この事業を継続してきました。
冷凍品という枠を遥かに超えた、最高品質のズワイガニをお届けします。